圏論初級徒然10 完備かつ余完備な圏
、 、 、 、 、 、 、
、 、 は完備かつ余完備である。
命題
は完備かつ余完備である。
(証明)
完備性はすでにみた。
余完備性は、余積とコイコライザの存在から言える。
の余積は直和、コイコライザは
は から生成される同値関係で を割ったもので、
すなわち両方存在する。□
命題
は完備かつ余完備である。
(証明へのコメント)
なんとなくわかった。
でも、粗い位相とか。
そろそろ位相の勉強の必要性を感じた。□
命題
が完備かつ余完備ならそのスライス圏もそうである。
(証明)
で考える。
は極限と連結した図式の余極限を生成するのだった。
だから、まず完備である。
余完備性は余積とコイコライザの存在から言う。
コイコライザは連結した図式なのでOK。
余積は前日の補題から、始対象と押し出しがあればできる。
押し出しは連結した図式なのでOK。
あとは始対象の存在のみであるが、 が
の始対象なので、やはりある。□
系
、 は完備かつ余完備である。
命題
、 は完備かつ余完備である。
例 要素圏
要素圏は引き戻しである。
ここで は忘却関手である。
命題
半順序集合は、上限と下限があるとき、完備かつ余完備である。
例 核対
に対する引き戻しを核対という。
これは同値関係を表している。
これから、次のような図式ができる。(どれも、縦の矢印が作られるもの。)
に対して、
これを で考えると、 の元は で となるもの。
1番上の図式は が の元であることを示し、
2番目の図式は が の元なら が の元であることを示し、
3番目の図式は [tex:*1] で と が の元なら
が の元であることを示している。
なるほど同値関係である。
これを一般の圏で考えると、一般の同値関係になる(のだろう)。
元ネタ:Emily Riehl : Category theory in context
*1:x,\hspace{3}y),\hspace{3}(y,\hspace{3}z