2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

カン拡張5

定理 が余極限を持つとき、そのときに限り、 は関手 に沿った左カン拡張を持つ。 このとき、 ( は の唯一の対象のつもり)である。 双対的に、極限が右カン拡張になる。 定理 が左随伴を持つとき、そのときに限り、 右カン拡張 が存在し、 によって保存され…

カン拡張4

コンマ圏 の対象は のようなもので、これを [tex:] と書く。 ここで、2つの関手を定義する。(射影関手?) [tex:P^c\hspace{3}=\hspace{3}m] [tex:Q^c\hspace{3}=\hspace{3}f] すると、 は錘と考えることができる。 定義 が稠密とは、各 について が成り立…

カン拡張3

次のような右カン拡張があったとする。 ただし、 。 ここで、 が余単位元 を持った右カン拡張なら、 「 は右カン拡張を保存する」という。 これは も意味する。 定理 が左随伴 を持つとき、 は 上のすべての右カン拡張を保存する。 (証明) ここで、 を右に…

カン拡張2

定理 があるとする。 に対し、 [tex:Q\hspace{3}:\hspace{3}(c\hspace{3}\downarrow K)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M\hspace{30}(\hspace{3}\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}m\hspace{3})] を考える。ここで が のように極限を持ち、その極限錐が …

カン拡張1

補題 が恒等関手上の錘であり、 があって、 が極限錘となっているなら、 は の始対象。 (証明) であるが、これを関手 と考え、 という構造を考えている。 は錘だから、下図が可換。 ( からすべての対象 への射 が他の射と可換になるようにある。という点…

エンド・コエンド3

命題 に対し それぞれがエンド [tex:]、[tex:] を持つとし、また、 自然変換 があったとする。 すると、に一意的な射 が存在して下図が可換になる。 定理 が 各対象 についてエンド を持つとする。 このとき、 を対象関数とる関手 が存在して、 は において…

エンド・コエンド2

定義 エンド 関手 に対し、ある定数 から への 普遍的な対角自然変換をエンドという。 ここで、 から へのくさび()があった場合、 一意的に が存在して、 を満たす。 自体もエンドとよばれ、 と書かれる。 例 に対し、 が定義される。 ここで、 に対し、 …

エンド・コエンド1

定義 対角自然変換 に対し、 に射 を割り当てる関数 で次の図を 可換にするものを対角自然変換という。 対角自然変換は と書く。 例 ・双関手の自然変換 に対し、 とする。 ・2つの1変数関手から「1つの変数がダミーのもの」をつくることができる。 に対し、…

モデル圏5

定義 導来関手 に対し、次のような関手 と 自然変換 の組を左導来関手(left derived functor)という。 すなわち、任意の関手 と自然変換 に対し、 を可換にするような が唯一つ決まる。 右導来関手は と で、 次のようになるもの。 命題 がコファイブラン…

モデル圏4

加群の圏を と書く。 定義 鎖複体の圏 対象 :加群の集まり 。 ただし、この加群間には境界写像 がある。 境界写像は を満たす。 射 : 加群の準同型 の集まり。 を満たす。 定義 ホモロジー関手 に対し 輪体加群 : 境界加群 : ホモロジー関手 : のとき、…

モデル圏3

定義 のコファイブラントな対象を集めた部分圏 のファイブラントな対象を集めた部分圏 のコファイブラントかつファイブラントな対象を集めた部分圏 で「射を右ホモトピーで分類したクラス」を射とする圏 で「射を左ホモトピーで分類したクラス」を射とする圏…

モデル圏2

定義 コファイブラントとファイブラント 始対象からの射がコファイブレーションである対象をコファイブラント、 終対象への射がファイブレーションである対象をファイブラントという。 (fibrant、cofibrantは形容詞のようである。したがって日本語訳は 形容…

モデル圏1

定義 射のレトラクト が可換で、、のとき、はのレトラクトという。 定義 リフト が可換のとき、があって図が可換なままであれば、をリフトという。 このとき、はに対して左リフト性(LLP)があるといい、 はに対して右リフト性(RLP)があるという。 定義 モ…

テンソル積2

が1つ固定されているとき、 は 代数という。定義 係数拡大 を 加群 の への係数拡大という。 2つの 代数 、 に対して を考えることができる。 乗法を と定義することで再び環になる。命題 が可換とする。 このとき が存在する。 このようなものは同型を除い…

テンソル積

双線形写像 加群 、 に対し となる写像。 定理 以下の性質を満たす が一意的に存在する。 すなわち、任意の に対し下図が可換になる が唯一つある。 コメント 圏論っぽく書くと次のようになる。 双線形の射の集合を と書くと、 これは関手 であり、 は普遍要…