可換代数の初歩

元ネタ:代数曲線入門第1章 梶原健
 
代数の知識が微妙で、いろいろもやもやすることが多い。
だから、教科書(アティマク?)をちゃんと通読しよう
とも思うのだが、それはそれで大事(オオゴト)だ。
で、なんとなく買った上記の本の第1章は、私がもやもやしていたところを
ピンポイントで吹き飛ばしてくれて、久しぶりにスッキリしている。
 
命題
k 係数 n 変数既約多項式 F\hspace{3}\in\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}X_n]GH を割り切るなら、
FG または H を割り切る。
 
定理
k を係数とする、定数でない n 変数多項式 F\hspace{3}\in\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}X_n] は、
順序と定数倍を除いて、既約多項式の積で一意的に表される。
 
命題
定数でない1変数既約多項式で生成されるイデアルは極大である。
また、イデアルが極大になるのは多項式が既約であるときに限る。
 
命題
定数でない n\hspace{9}(n\hspace{3}\geq\hspace{3}2) 変数既約多項式で生成されるイデアルは素である。
また、イデアルが素になるのは多項式が既約であるときに限る。
しかし、極大とは限らない。
 
命題
k を係数とする多項式環 k[X_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}X_n]イデアル
(X_1\hspace{3}-\hspace{3}a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},X_n\hspace{3}-\hspace{3}a_n)\hspace{3} は極大である。
 
命題
(1) 可換環が整域であることは、(0) が素であることと同値である。
(2) 体のイデアル(0) と自分しかない。特に (0) は極大イデアルである。
(3) 可換環が体であることは、(0) が極大であることと同値である。
 
命題
I可換環 Rイデアルとし、p\hspace{3}:\hspace{3}R\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}R/I を自然な準同型とする。
このとき、R/Iイデアル全体と I を含む Rイデアル全体は1対1対応する。
特に、素イデアル同士、極大イデアル同士は対応する。
 
命題
体から零環でない環への準同型は単射である。
 
命題
整数環 Z から任意の可換環 R への準同型写像
 
Z\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}R\hspace{18}(n\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}n\cdot 1)
 
しかない。
  
命題
イデアル準同型写像の逆像は素イデアル
 
命題
R[X]/I[X]\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}(R/I)[X] は同型である。
 
もちろん、上記のすべてを知らなかったわけでは断じてない。