アフィン多様体

k を固定した代数閉体とする。
 
定義 アフィン n 空間
A^n : P\hspace{3}\in\hspace{3}A^n
P\hspace{3}=\hspace{3}(a_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}a_n)
 
多項式環を A\hspace{3}=\hspace{3}k[x_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3}x_n] としておく。

定義 零点集合
T\hspace{3}\subset\hspace{3}A に対して、
Z(T)\hspace{3}=\hspace{3}\{P\hspace{3}\in\hspace{3}A^n\hspace{3}|\hspace{3}\forall\hspace{3}f\hspace{3}\in\hspace{3}T\hspace{3}f(P)\hspace{3}=\hspace{3}0\}
 
定義 代数的集合
Y\hspace{3}\subset\hspace{3}A^n について、ある T\hspace{3}\subset\hspace{3}A があって Y\hspace{3}=\hspace{3}Z(T) となるとき、
Y は代数的集合という。
 
命題
2つの代数的集合の和集合は代数的集合である。
代数的集合の任意の交わりは代数的集合である。
空集合と全空間は代数的集合である。
 
定義 A^n 上のZariski位相
代数的集合の補集合を開集合とする。
 
定義 既約
YY\hspace{3}=\hspace{3}Y_1\hspace{3}\cup\hspace{3}Y_2Y_1Y_2 は閉である異なる真部分集合)の
ように書けないとき既約であるという。
空集合は既約と見なさない。
 
A^1 は既約である。
 
定義 アフィン代数多様体
A^n の既約閉部分集合。
その開部分集合を準アフィン多様体という。
 
定義
I(Y)\hspace{3}=\hspace{3}\{f\hspace{3}\in\hspace{3}A\hspace{3}|\hspace{3}\forall\hspace{3}P\hspace{3}\in\hspace{3}Y\hspace{9}f(P)\hspace{3}=\hspace{3}0\hspace{3}} を
YA におけるイデアルという。 
 
命題
(1) T_1\hspace{3}\subset\hspace{3}T_2\hspace{3}\Rightarrow\hspace{3}Z(T_1)\hspace{3}\supset\hspace{3}Z(T_2)
(2) Y_1\hspace{3}\subset\hspace{3}Y_2\hspace{3}\Rightarrow\hspace{3}I(Y_1)\hspace{3}\supset\hspace{3}I(Y_2)
(3) I(Y_1\hspace{3}\cup\hspace{3}Y_2)\hspace{3}=\hspace{3}I(Y_1)\hspace{3}\cap\hspace{3}I(Y_2)
(4) I(Z(a))\hspace{3}=\hspace{3}\sqrt{a}
(5) Z(I(Y))\hspace{3}=\hspace{3}\bar{Y}
 
命題
A^nA の根基イデアルの間には Y\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}I(Y)a\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}Z(a) で与えられる
一対一で包含関係を逆にする対応がある。
さらに、代数的集合はそのイデアルが素イデアルであるとき、そのときに限り、既約。
 
定義 アフィン座標環
Y がアフィン代数的集合ならば、A(Y)\hspace{3}=\hspace{3}A/I(Y) をアフィン座標環という。
 
定義 Noether的
位相空間が Noether 的とは、閉部分集合について降鎖律が成り立つものである。
 
命題
すべての空でない閉部分集合 Y は、Y\hspace{3}=\hspace{3}Y_1\hspace{3}\cup\hspace{3}\cdots\hspace{3}Y_r のように
既約閉部分集合の有限和で表すことができる。
Y_i\hspace{3}\not\supset\hspace{3}Y_j\hspace{15}(\hspace{3}i\hspace{3}\neq\hspace{3}j\hspace{3}) とするとY_i は一意的に決まる。
これを既約成分という。
 

A^n 内のすべての代数的集合は、多様体の和集合として、それぞれが他のものに
含まれない形で一意的に表せる。
 
定義 位相空間の次元
異なる既約閉部分集合の鎖 Z_0\hspace{3}\subset\hspace{3}Z_1\hspace{3}\subset\hspace{3}\cdots\hspace{3}\sub\hspace{3}Z_n が存在するような
すべての整数 n の上限を次元という。

A^1 の次元は1である。
 
定義 素イデアルの高さ、環の次元
異なる素イデアルの鎖 p_0\hspace{3}\subset\hspace{3}\cdots\hspace{3}\subset\hspace{3}p_n\hspace{3}=\hspace{3}p の上限をp の高さと言う。
すべての素イデアルの高さの上限をその環の次元という。
 
命題
Y がアフィン代数的集合ならば Y の次元は A(Y) の次元に等しい。
 
A^n の次元は n である。
 
命題
Y がアフィン多様体なら dim\hspace{3}Y\hspace{3}=\hspace{3}dim\hspace{3}\bar{Y}
 
命題
A^n 内の多様体 YA\hspace{3}=\hspace{3}k[x_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}x_n] 内の定数でない既約多項式 f ひとつの
零点集合 Z(f) のとき、そのときに限り、n\hspace{3}-\hspace{3}1 次元である。
 
元ネタ:代数幾何学 ハーツホーン