多様体間の射
定義 準アフィン多様体 上の正則関数
関数 が において正則とは次のようなときに言う。
となる開近傍 と多項式 がある。
は 上いたるところで ではなく、 上で となる。
が のすべての点で正則であるとき、 上正則であるという。
定義 準射影多様体 上の正則関数
関数 が において正則とは次のようなときに言う。
となる開近傍 と同じ次数の斉次多項式 がある。
となる開近傍 と多項式 がある。
は 上いたるところで ではなく、 上で となる。
が のすべての点で正則であるとき、 上正則であるという。
補題
を と同一視すると、正則関数は連続。
定義 上の多様体
アフィン多様体、準アフィン多様体、射影多様体、準射影多様体のこと。
定義 多様体間の射
次の条件を満たす連続写像 。
すべての開近傍 、すべての正則関数 について、
が正則である。
定義 上の正則関数のなす環
ま、その名の通り。
定義 上の の局所環
の開近傍 とその上での正則関数の組 [tex:] のなす環。
この組を正則関数の芽という。
ただし、[tex:] と [tex:
は実際に局所環である。
その極大イデアルは で消える正則関数の芽の集合である。
この極大イデアルを と書く。
ただし、射影多様体では、 の斉次元で考えたものを とする。
定義 上の関数体
を の開部分集合、 をその上の正則関数としたときの [tex:] の同値類である。
の元は 上の有理関数とよばれる。
定理
をアフィン多様体、 をアフィン座標環とする。
(1) 。
(2) は点と極大イデアルの1対1対応を与える。
(3) で 。
(4) は の商体に同型であり、
したがって は の有限生成拡大体で超越次数は 。
命題
を により定義される開集合とする。
このとき、 は多様体の同型。
の斉次元のうち に含まれないもののなす乗法的部分集合を とし、
に関して を局所化し、その中で0次の元がなす部分環を と書く。
特に、 が整域なら [tex:S_{*1}] は体。
が斉次元のとき、
局所化した環を 、その0次の元のなす部分環を と書く。
定理
を射影多様体、 を斉次座標環とする。
(1) 。
(2) 。
(3) [tex:K(Y)\hspace{3}\simeq\hspace{3}S(Y)_{*2}] 。
命題
を多様体、 をアフィン多様体とすると、集合間の自然な全単射
がある。
系
、 を2つのアフィン多様体とする。
と が 代数として同型 と は同型
系
は、「 上のアフィン多様体の圏」と
「 上の有限生成整域の圏」との間に矢印の向きを逆にする圏同値を引き起こす。
元ネタ:代数幾何学 ハーツホーン