多様体間の射

定義 準アフィン多様体 Y 上の正則関数
関数 f\hspace{3}:\hspace{3}Y\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}kP\hspace{3}\in\hspace{3}Y において正則とは次のようなときに言う。
P\hspace{3}\in\hspace{3}U\hspace{3}\sub\hspace{3}Y となる開近傍 U多項式 g,\hspace{3}h\hspace{3}\in\hspace{3}A がある。
gU 上いたるところで 0 ではなく、U 上で f\hspace{3}=\hspace{3}g\hspace{3}/\hspace{3}h となる。
fY のすべての点で正則であるとき、Y 上正則であるという。
 
定義 準射影多様体 Y 上の正則関数
関数 f\hspace{3}:\hspace{3}Y\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}kP\hspace{3}\in\hspace{3}Y において正則とは次のようなときに言う。
P\hspace{3}\in\hspace{3}U\hspace{3}\sub\hspace{3}Y となる開近傍 U と同じ次数の斉次多項式 g,\hspace{3}h\hspace{3}\in\hspace{3}S がある。
P\hspace{3}\in\hspace{3}U\hspace{3}\sub\hspace{3}Y となる開近傍 U多項式 g,\hspace{3}h\hspace{3}\in\hspace{3}A がある。
gU 上いたるところで 0 ではなく、U 上で f\hspace{3}=\hspace{3}g\hspace{3}/\hspace{3}h となる。
fY のすべての点で正則であるとき、Y 上正則であるという。
 
補題
kA^1 と同一視すると、正則関数は連続。
 
定義 k 上の多様体
アフィン多様体、準アフィン多様体、射影多様体、準射影多様体のこと。
 
定義 多様体間の射
次の条件を満たす連続写像 \varphi\hspace{3}:\hspace{3}X\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}Y
すべての開近傍 V\hspace{3}\sub\hspace{3}Y、すべての正則関数 f\hspace{3}:\hspace{3}V\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}k について、
f\hspace{6}\circ\hspace{3}\varphi\hspace{3}:\hspace{3}\varphi^{-1}(V)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}k が正則である。
 
定義 Y 上の正則関数のなす環 O(Y)
ま、その名の通り。
 
定義 Y 上の P の局所環 O_P
P の開近傍 U とその上での正則関数の組 [tex:] のなす環。
この組を正則関数の芽という。
ただし、[tex:] と [tex:] は U\hspace{3}\cap\hspace{3}V 上で f\hspace{3}=\hspace{3}g となるとき、同一視する。
 
O_P は実際に局所環である。
その極大イデアルP で消える正則関数の芽の集合である。
この極大イデアルm_P と書く。 
ただし、射影多様体では、S の斉次元で考えたものを m_P とする。
 
定義 Y 上の関数体 K(Y)
UY の開部分集合、f をその上の正則関数としたときの [tex:] の同値類である。
K(Y) の元は Y 上の有理関数とよばれる。
 
定理
Y をアフィン多様体A(Y) をアフィン座標環とする。
(1) O(Y)\hspace{3}\simeq\hspace{3}A(Y)
(2) P\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}m_P は点と極大イデアルの1対1対応を与える。
(3) O_P\hspace{3}\simeq\hspace{3}A(Y)_{m_P}dim\hspace{3}O_P\hspace{3}=\hspace{3}dim\hspace{3}Y
(4) K(Y)A(Y) の商体に同型であり、
  したがって K(Y)k の有限生成拡大体で超越次数は dim\hspace{3}Y
 
命題
U_i\hspace{3}\sub\hspace{3}P^nx_i\hspace{3}\neq\hspace{3}0 により定義される開集合とする。
このとき、\varphi_i\hspace{3}:\hspace{3}U_i\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}A^n多様体の同型。
 
S の斉次元のうち p に含まれないもののなす乗法的部分集合を T とし、
T に関して S を局所化し、その中で0次の元がなす部分環を S_{(p)} と書く。
特に、S が整域なら [tex:S_{*1}] は体。
 
f\hspace{3}\in\hspace{3}S が斉次元のとき、
局所化した環を S_f、その0次の元のなす部分環を S_{(f)} と書く。
 
定理
Y を射影多様体S(Y) を斉次座標環とする。
(1) O(Y)\hspace{3}=\hspace{3}k
(2) O_P\hspace{3}=\hspace{3}S(Y)_{(m_P)}
(3) [tex:K(Y)\hspace{3}\simeq\hspace{3}S(Y)_{*2}] 。
 
命題
X多様体Y をアフィン多様体とすると、集合間の自然な全単射
Hom(X,\hspace{3}Y)\hspace{3}\simeq\hspace{3}Hom(A(Y),\hspace{3}O(X))
がある。
 

XY を2つのアフィン多様体とする。
A(X)A(Y)k 代数として同型 \Longleftrightarrow XY は同型
 

X\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}A(X) は、「k 上のアフィン多様体の圏」と
k 上の有限生成整域の圏」との間に矢印の向きを逆にする圏同値を引き起こす。
 
元ネタ:代数幾何学 ハーツホーン

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