モデル圏2
定義 コファイブラントとファイブラント
始対象からの射がコファイブレーションである対象をコファイブラント、
終対象への射がファイブレーションである対象をファイブラントという。
(fibrant、cofibrantは形容詞のようである。したがって日本語訳は
形容詞か形容動詞なんだろうと思う。)
定義 円筒対象(cylinder object)
が
のように分解されるとき、 を に対する円筒対象という。
(ここで右の射は弱同値である。)
さらに、
がコファイブレーションのときは良い円筒対象、
その上 が自明なファイブレーションのときはとても良い円筒対象という。
ここでは に対して、、 と書く。
補題
がコファイブラントで が良い円筒対象のとき、
、は自明なコファイブレーションになる。
定義 左ホモトピック
に対し、
が可換となるようながあるとき、は(を通しての)からへの左ホモトピーといい、
とは左ホモトピックであるという。(で表す。)
が(とても)良い円筒対象のときは(とても)良い左ホモトピーという。
補題
のとき、からへの良い左ホモトピーがある。
さらにがファイブラントなら、とても良い左ホモトピーがある。
補題
がコファイブラントのとき は における同値関係になる。
定義
がコファイブラントのとき、の同値類の集合をと書く。
コファイブラントでなくとも、左ホモトピーが生成する同値関係による
同値類の集合をと書く。
補題
がコファイブラントで が自明なファイブレーションのとき、
は全単射となる。
補題
がファイブラントであれば、
と任意の射に対し、となる。
さらに、次のような射を誘導する。
定義 経路対象(path object)
が
のように分解されるとき、 を の経路対象という。
(ここで左の射は弱同値である。)
さらに、
がファイブレーションのときは良い経路対象、
その上 が自明なコファイブレーションのときはとても良い経路対象という。
ここでは に対して、、 と書く。
補題
がファイブラントで は良い経路対象のとき、
、 は自明なファイブレーションになる。
定義 右ホモトピック
に対し、
が可換となるようながあるとき、は(を通しての)からへの右ホモトピーといい、
とは右ホモトピックであるという。( で表す。)
が(とても)良い経路対象であるときは(とても)良い右ホモトピーという。
補題
のとき、からへの良い右ホモトピーがある。
さらにがコファイブラントなら、とても良い右ホモトピーがある。
補題
がファイブラントのとき は における同値関係になる。
定義
がファイブラントのときの同値類の集合をと書く。
ファイブラントでなくとも、右ホモトピーが生成する同値関係による
同値類の集合をと書く。
補題
がファイブラントで が自明なコファイブレーションのとき、
は全単射となる。
補題
がコファイブラントであれば、
と任意の射に対し、となる。
さらに、次のような射を誘導する。
補題
に対し、
がコファイブラントで なら 。
がファイブラントで なら 。
定義 ホモトピック
がコファイブラントでがファイブラントのとき左ホモトピックであることと右ホモトピックであることは同じになる。
のこの同値による類の集合をと書く。
補題
で と はファイブラントかつコファイブラントとする。
このとき、 が弱同値であるのは、 がホモトピックな逆を持つときであり、そのときに限る。
ここで、 が のホモトピックな逆であるとは、、 と
なるということである。
元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski