カン拡張3
次のような右カン拡張があったとする。
ただし、 。
ここで、 が余単位元 を持った右カン拡張なら、
「 は右カン拡張を保存する」という。
これは も意味する。
定理
が左随伴 を持つとき、
は 上のすべての右カン拡張を保存する。
(証明)
ここで、 を右に動かしていくと、
ただし、ここで 、 は 、 の随伴に関する余単位元、単位元。
は右カン拡張の余単位元。
で、最後の項は三角等式より、 に等しい。
系
が右カン拡張で、 が小さなhom集合を持ち、
すべての小さい余冪を持つとき、 は
の右カン拡張であり、余単位元 を持つ。
(証明)
だった。
つまり、 は を左随伴に持つ。□
定義
があり、 が小さなhom集合を持つときに、
右カン拡張 がすべての について に
よって保存されるなら、 は各点的であるという。
定理
関手 が に沿った
各点右カン拡張を持つことと、すべての について
の極限が存在することは同値である。
このとき、[tex:Rc\hspace{3}=\hspace{3}\lim_{\leftarrow}*1] 。
特に、 とし、米田の補題と下の補題を使うと、
□
補題
に対し、以下の全単射がある。
(証明)
の対象は のようなものであるが、これを [tex:
( は が決まれば決まるものだから本質的には不要だと思う。が、いい目印にはなる。)
[tex:
の元を とすると、 は
[tex:\tau{
しかるに、これが錘であるから、[tex:\tau{
一方、 の元を とすると、 は、
を与える。
を左上から右下にもっていくと、 となる。
これらを比べると補題が言える。□
系
が各点カン拡張のとき、そのときに限り、
は全単射。
この全単射を とすると、、 に対し、
(証明)
全単射は定理の証明中で示されている。
後半部分は米田の補題の良い計算練習だと思う。
ので、思い切りゆっくりやる。
まず、米田の補題は
。
ここで、 は、 に対して と決まり、
逆に は を にうつす。
一方、( でうつった)右カン拡張では、自然変換 が
で表される。これをコンポーネントで書くと、
となる。
まとめると系の後半部分が証明された。□
元ネタ:圏論の基礎 マックレーン
*1:c\hspace{3}\downarrow K)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}A)] である。 (証明) 十分性: の極限が存在すれば、右カン拡張ができる。 この右カン拡張は極限の形で与えられることになるが、 は極限を保存する。 よって、この右カン拡張は各点的である。 必要性: 下のように右カン拡張 があったとする。右カン拡張であるのだから、関手 に対して、 [tex:Set^C(V,\hspace{3}R^a)\hspace{3}\simeq\hspace{3}Set^M(VK,\hspace{3}A(a,\hspace{3}T-