カン拡張5
定理
が余極限を持つとき、そのときに限り、
は関手 に沿った左カン拡張を持つ。
このとき、 ( は の唯一の対象のつもり)である。
双対的に、極限が右カン拡張になる。
定理
が左随伴を持つとき、そのときに限り、
右カン拡張 が存在し、 によって保存される。
このとき、 であり、カン拡張の余単位元が
随伴の余単位元になる。
(証明に関するコメント)
十分性の証明のキモは である。
(順番を個人的嗜好に合わせて書き直した。)
あるいは、書き直すと である。
これは が左随伴、 が右随伴の形である。
その単位元、余単位元を(証明内の対応に従って)書いてみると、
()、
()
これらは 、 の随伴性から導かれるものだが、
(随伴の左右が逆になるが)なるほどもっともらしい感じがする。
しかるに、元の はよく見ると
の右カン拡張の式である。
とくに、 とおくと、 。
一応それらしい図を書いておくと次のよう。
これは、 を意味する。
その余単位元は だから、 は任意の関手で保存されることがわかる。
もちろん、教科書の別証を与えたわけではない。
必要性の部分に関して、コメントは特にない。□
命題
が余単位元 を伴う左随伴 を持つとき、
が存在し、これは余単位元 を伴う に等しく、
任意の関手に保存される。□
のような右カン拡張を考える。
なので、これは米田の補題である。
カン拡張の勉強終了。
元ネタ:圏論の基礎 マックレーン