モデル圏1問1答 2/5
Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。
問題
問7
左ホモトピー、右ホモトピーの定義を述べよ。
答7
問8 以下を証明せよ。
(1) のとき、からへの良い左ホモトピーがある。
さらにがファイブラントなら、とても良い左ホモトピーがある。
(2) のとき、からへの良い右ホモトピーがある。
さらにがコファイブラントなら、とても良い右ホモトピーがある。
答8
問9 以下を証明せよ。
(1) で がコファイブラントなら は同値関係。
(2) で がファイブラントなら は同値関係。
答9
問10 以下を証明せよ。
(1) がコファイブラントで が自明なファイブレーションのとき、
は全単射。
(2) がファイブラントで が自明なコファイブレーションのとき、
は全単射。
答10
問11 以下を証明せよ。
(1) がファイブラントで 、 のとき、
(2) がコファイブラントで 、 のとき、
答11
問12
(1) がファイブラントなら を導く。
(2) がコファイブラントなら を導く。
答12
解答
問7
定義 左ホモトピック
に対し、
が可換となるようながあるとき、は(を通しての)からへの左ホモトピーといい、
とは左ホモトピックであるという。(で表す。)
が(とても)良い円筒対象のときは(とても)良い左ホモトピーという。
ただし、これは Dwyer、Spalinski(他の人も?)の記法であると思う。
そもそも とは何であろうか?
2つの射 が与えられたとき、
により、(余積の性質により) が決まる。これは、通常の記法なら ではないだろうか。
これを と書いている。わからないことはない。
も同様に考えることができる。
ただし、円筒対象の定義に書いたように、そもそも、これは である。
ホモトピーの定義によれば、 である。しかるに、
である。これと上の式を見比べると、なるほど、 というのはもっともらしい。
定義 右ホモトピック
に対し、
が可換となるようながあるとき、は(を通しての)からへの右ホモトピーといい、
とは右ホモトピックであるという。( で表す。)
が(とても)良い経路対象であるときは(とても)良い右ホモトピーという。
問8
円筒対象とは次のようなものだった。
(1)の前半:
を分解する。
ただし、 はコファイブレーション、 は自明なファイブレーションとする。
ここで、 、、 とすれば、
、 となる。
(1)の後半:(記号は前半と違う意味で使うので注意。)
前半の結果より、 を最初から良い円筒対象とする。
そして、 を分解する。
ここで、 は自明なコファイブレーション、 は自明なファイブレーションである。
すると、
のように を構成できる。
問9
(1)のみ。
反射律:
より、 を円筒対象と考えることができる。
より、 。
対象律:
とすると、
となるのだった。ここで、
を考える。ただし、 は が余積(余極限)であることから決まる射である。
すると となり、
より、 。
ここまで がコファイブラントであることは使っていない。
推移律:
とする。
すると、
は、 がコファイブラントだから、自明なコファイブレーションである。
ここで、次のような押し出しを考える。
は押し出しであり、 と から、
ができる。
さらに、次のような を分解する図式ができ、 は
円筒対象であることが言える。
ここで、押し出しを 、 に適用すると、
ができる。
これらより、
ができる。
問10
(1)のみ。
がwell definedなのは明らか。
()
全射性:
に対し、以下の図式を考える。
仮定より、リフト がある。
これは、 となる。
単射性:
のとき、以下の図式を考える。
ただし、 は良い円筒対象とする。
仮定より、リフト があり、
となる。
問11
(1)のみ。
まず、仮定より、
がある。
がファイブラントなので をとても良い円筒対象にとる。
については良い円筒対象をとり、以下の図式ができる。
左の下向き矢印はコファイブレーション、右の下向き矢印は
自明なファイブレーションなので、リフト ができる。
すると、 である。
これらを使うと、 。
問12
(1)のみ。
と考えたいが、これがwell-definedでなければならない。
とする。
すると、前問より 。
また、 は左ホモトピーの定義より明らか。