モデル圏1問1答 3/5
Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。
問題
問13 以下を証明せよ。
とする。
(1) がコファイブラントのとき、 。
(2) がファイブラントのとき、 。
答13
問14
で と がコファイブラントかつファイブラントなら、
以下が成り立つことを証明せよ。
が弱同値。 がホモトピー逆射を持つ。
答14
問15
(1) 対象 からコファイブラントな対象 を作れることを示せ。
(2) 対象 からファイブラントな対象 を作れることを示せ。
答15
問16
に対し
(1) を可換とする があること、
(2) の左ホモトピー(また、右ホモトピー)同値類は一意に決まること、
(3) がファイブラントなら、 は で決まること
を示せ。
答16
問17
について前問と同様のことを述べよ。
答17
解答
問13
(1)のみ。
左ホモトピーとは、円筒対象
に対し、
があるということ。
がコファイブラントだから、 は自明なコファイブレーションに取れる。
経路対象
を用意して、
を考える。
が自明なコファイブレーションで がファイブレーションだから、
なる射ができる。
これを使って
ができる。
実際、
問14
の証明:
が弱同値とする。
それを自明なコファイブレーション とファイブレーション に分解する。
( が弱同値なので も自明になる。)
すると、
となり、 もファイブラントかつコファイブラントであることがわかる。
次に、
より、 を得る。
まず、 だが、これで と言える。
次に、 がファイブラントで が自明なコファイブレーションだから、
は全単射である。しかるに、
だから、 が言える。
同様に、 となる がある。
すると、 が のホモトピー逆射となる。
実際
の証明:
がホモトピー逆射 を持つとする。
それを自明なコファイレーション とファイブレーション に分解する。
(当然、上の証明の 、 とは無関係。)
この が弱同値ならよい。
仮定より、
ここで、 は自明なコファイレーションに取れる。したがって、
を考えると、 を得る。
とおくと、 。
は弱同値なので、最初に証明したように、ホモトピー逆射を持つ。
それを とする。
より 。
より 。
より がわかるが、
は当然弱同値だから も弱同値。
ところで、 は のレトラクトである。
よって も弱同値である。
うぬ〜。読めばわかる。
数学者は自分で思いつくのだろうが、それは数学の世界ではどのくらいの
難易度なんだろうか。
問15
を次のように分解すればよい。
ここで、 は自明なファイブレーションとする。
同様に、
を分解する。
ここで、 は自明なコファイブレーションとする。
1問1答をはじめたときは、1問につきこの程度の負荷を考えていた。
問16
(1)
を考えれば、 があることがわかる。
ただし、「ある」というだけで「一意」などとは言っていない。
(2)
であるが、これは を意味する。
しかるに、 はコファイブラントで は自明なファイブレーションだから、
は全単射。
よって、 は一意的に決まる。
また、 はコファイブラントだから、左ホモトピーは右ホモトピーとなる。
(3)
はファイブラントだから、 のとき 。
問17
に対し
(1) を可換とする がある。
(2) の右ホモトピー(また、左ホモトピー)同値類は一意に決まる。
(3) がコファイブラントなら、 は で決まる。