モデル圏1問1答 4/5
元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski
問題
問18
前々問、前問より以下の関手が定義されることを示せ。
(1)
(2)
( は の射を右ホモトピーでまとめた圏。
は の射を左ホモトピーでまとめた圏。)
答18
問19 以下を示せ。
(1) から が導かれる。
(2) から が導かれる。
答19
問20
ホモトピー圏と付随する関手の定義を述べよ。
答20
問21 以下を示せ。
答21
問22 以下を示せ。
のとき、
があって、
と書ける。
答22
問23 以下を示せ。
で
が自然変換のとき、
は なる自然変換を与える。
答23
問24 以下を示せ。
弱同値射を同型にうつす関手は、左(右)ホモトピックな射を同じものにうつす。
答24
問25
がコファイブラントで がファイブラントのとき、
は全射で、
全単射 を誘導する。
答25
問26
圏の局所化の定義を述べよ。
答26
問27 以下を示せ。
は、弱同値の射の集合についての の局所化である。
答27
解答
問18
(1)のみ。
対象関数が
射関数が
とすればよいと思われる。
あとは射関数が単位元律、結合律を満たすことをみればよい。
実際、 のとき と取れる。
で なら、
。
ところで、 の対象はすべてコファイブラントだから、
右ホモトピーの類の積は右ホモトピーの類として確定できる。
すなわち、 が言える。
問19
(1)のみ。
を に「作用」させることを考える。
それは、 においてファイブラントな対象間の射が のとき、
であればよい。
それは問16の内容である。
問20
と同じ対象を持ち、
。
。
問21
・
が弱同値とする。
問16、問17の記法で、 は
、 のように構成する。
らは弱同値なので、 も弱同値。
問14より は の世界で逆射を持つ。
・
これも問14から言える。
問22
のようなものがあるが、
これらの射は弱同値なので の世界では同型にうつされ、
ができる。
その結果、下図のような構造(上の矢印は合成したもの)ができる。
これは の世界の話である。
が、 を制限した
は全射なので、上の図の上の射はある で
と書ける。
問23
仮定部分が言っていることは次のような図が可換であること。
結論部分が言っていることは次のような図が可換であること。
はじめに下の図を考える。
前問より は で写された射たちで書ける。
そう書いてしまえば、仮定より可換であることがわかる。
問24
左ホモトピー で考える。
左ホモトピーということは、
ただし、 で は弱同値、
というお膳立てで、
などとなっている。
ここで、弱同値は同型にうつされるのだから、
より 。
よって、 。
問25
問21と問24より ができる。
下の矢印は問21より全単射。
上の矢印は問10より全単射。
左の矢印はよく考えると全単射。
(作り方から は全射。問16、問17より全単射。)
よって、右の矢印も全単射。
問26
圏 の射の集合 について、関手 が次の条件を満たすとき、
は についての の局所化という。
(1) のとき、 は同型。
(2) (ただし、弱同値射を同型射にうつすとする)に対し、
が可換になるような が唯一つある。
問27
前問の条件が満たされているか調べればよい。
(1)は問21で言った。
(2)は、たぶん、次のよう。
前問のような があったとして、
を見つければよい。
対象関数は素直に でよい。
射関数を構成するため、 を考える。
すると、
とできる。
上の図式を で の世界にうつすと、
これから、
がわかる。
( の構成にはホモトピー類内での不定性があるが、
それは、問24より問題にならない。)
ところで、
となる がほしいのだった。
それは
でなければならないということだ。
が、 を定める以上、一般の に対して
の作用が決まっていなければならない。
しかるに、問22より、一般の に対して、
それを表す があるのだった。
したがって、
とできるし、そうすればよい。
( と の違いはホモトピー類内の違いしかない。)
一意性は、上記の構成より、あきらかなような気がする。