モデル圏1問1答 5/5
元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski
問題
問28
左導来関手の定義を述べよ。
答28
問29
右導来関手の定義を述べよ。
答29
問30 以下を示せ。
が自明なコファイブレーションを同型にうつす関手とする。
このとき、 。
答30
問31 以下を示せ。
がコファイブラント対象間の弱同値射を同型にうつす関手とする。
このとき、 の左導来関手 が存在する。
また、コファイブラント対象上で は同型。
答31
問32
全左導来関手:
全右導来関手:
の定義を述べよ。
答32
問33 以下(ブラウンの補題)を示せ。
が
コファイブラント対象間の自明なコファイブレーションを弱同値射にうつするとする。
すると、 はコファイブラント対象間のすべての弱同値射を弱同値射にうつす。
答33
問34 以下を示せ。
(随伴)
のとき、次の3つは同値である。
1) はコファイブレーションを保存し はファイブレーションを保存する。
2) はファイブレーションと自明なファイブレーションを保存する。
3) はコファイブレーションと自明なコファイブレーションを保存する。
答34
問35 以下を示せ。
(随伴)
で はコファイブレーションを保存し はファイブレーションを保存するとする。
すると全導来関手 、 が存在する。
答35
問36 以下を示せ。
(随伴)
で はコファイブレーションを保存し はファイブレーションを保存するとする。
すると、 がコファイブラント、 がファイブラントのとき、
1対1対応
がある。
答36
問37 以下を示せ。
(随伴)
で はコファイブレーションを保存し はファイブレーションを保存するとする。
すると
(随伴)
がある。
答37
問38 以下を示せ。
答38
問37の続き。
さらに、次の条件が成り立つとする。
すなわち、 がコファイブラント、 がファイブラントのとき、
すると、 。
問39 以下を示せ。
のとき、
答39
問40
のとき、
答40
解答
問28
に対する
関手
自然変換
の組で次の条件を満たすもの。
すなわち、
任意の関手 と
自然変換 に対し、
を可換にするような が唯一つ決まる。
問29
に対する
関手
自然変換
の組で次の条件を満たすもの。
すなわち、
任意の関手 と
自然変換 に対し、
を可換にするような が唯一つ決まる。
問30
とする。
すると、問9よりとても良い右ホモトピーがある。すなわち
で、 が自明なコファイブレーション。
したがって、 は同型射。
より、 。
より、 。
問31
前問より は右ホモトピックな射を同じ射にうつすので、
が誘導される。
問18より関手 がある。
よく考えてみると は弱同値射を同型にうつす。
問27より(つまり、 の普遍性より) ができる。
ところで より 。
しかるに、 である。そこで、この を とする。
がコファイブラントのとき であり、 となる。
すなわち、このとき は同型射である。
最後に と が左導来関手の公理を満たすことを示す。
そこで、関手 と自然変換 を考える。
このとき、 があるとすれば、次のような図式を満たさなければならない。
真ん中の下向き矢印は
を使った。
が求める性質を満たすなら上の行から 。
したがって、 。
これは定義でき、かつ、定義すればうまくいく。
ただし、できたのは であるが、
問23より が構成される。
問32
に対し、
を合成して、 を作る。
これの左導来関手を全左導来関手という。
全右導来関手も同様である。
問33
、 がコファイブラントで、 が弱同値射とする。
を以下のように分解する。
ここで はコファイブレーション、 自明なファイブレーションとする。
がコファイブラントだから はコファイブレーション。
始対象から を経由してコファイブレーションだけを通って に行けるから、
はコファイブラント。
上図は も意味するから、 は、弱同値。
そして、コファイブレーションだから、自明なコファイブレーション。
で
以外の登場人物はすべて弱同値だから、 も弱同値。
最後に より も弱同値。
問34
自明なコファイブレーション
ファイブレーション
とする。
に対して、リフトがあればよい。
随伴を使って、この図に対して下図ができる。
( などである。)
これに対してもう一度随伴を使うと、リフトができる。
問35
左随伴関手は余極限を保存するから、始対象を始対象にうつす。
さらに今の場合、コファイブラント対象をコファイブラント対象にうつす。
右随伴関手は極限を保存するから、終対象は終対象にうつs。
さらに今の場合、ファイブラント対象をファイブラント対象にうつす。
をコファイブラント対象間の自明なコファイブレーションとすると、
うつされた射もコファイブラント対象間の自明なコファイブレーション(すなわち弱同値)となる。
問33より、 はコファイブラント対象間の弱同値射を弱同値射にうつすことがわかる。
問21より、 は弱同値射を同型にうつす。
問31より、 は左導来関手を持つ。
すなわち、全導来関手の存在が言えた。
問36
前問の続き。
まず、随伴なので、以下がある。
ここで とする。
を良いホモトピーに選んでおく。
すると、 は自明なコファイブレーションであり はコファイブラントになる。
随伴で ができる。
は
を導くが、
この は弱同値射(前問)だから、 はちゃんと円筒オブジェクトである。
から となり、
が言える。
から も同様の議論で導ける。
問37
前問の続き。
より 。
より 。
これと前問の結果を使って、
(イタリックの とローマンの は違うことに注意。)
この構成から の関手としては明らかに自然そうである。
そうなら、問23より、これは の関手としても自然となる。
問23の威力にただただ恐れ入るのみである。
問38
以下、たぶんあってると思うのだが、絶対的な確信はない。
の随伴を取って
。
これから、
この射を と書きたい気がするのだが、教科書に従って と書く。
は弱同値だったから は同型。
ここで をコファイブラントとする。
上の式では を使った。
つまり、同型射
ができたことになる。
ただし、 がコファイブラントのときのみである。
が一般の場合、 より ができる。
そこで、一般の場合、 を使えば、 が言える。
逆の場合も同様である。
問39
はファイブレーションと自明なファイブレーションを保存するから。
問40
はコファイブレーションと自明なコファイブレーションを保存するから。