代数曲線入門1問1答 5
元ネタ:代数曲線入門 梶原健
問題
問1 以下の用語の定義を述べよ。
(アフィン)(閉部分)多様体、超曲面、座標環
多項式関数、多項式写像、同型
答1
問2
引き戻しの定義を述べよ。
答2
問3
(多項式写像)、
( 準同型写像)
があったする。このとき、 となるような
を見つけ、
と定義する。このとき、以下を示せ。
(0) そういう を見つけられる。
(1)
(2)
(3)
(4) の への制限は の選び方によらない。
(5) とすれば、
と は互いに逆写像になる。
問4 以下を示せ。
「 の多項式写像」と「 準同型」
は1対1に対応する。
特に、閉部分多様体の同型は座標環の 同型は対応する。
答4
問5 以下を示せ。
上有限生成な整域 は、あるアフィン多様体 の座標環 と
代数として同型である。
に対して は同型を除いて一意的に定まる。
答5
問6 以下の用語の定義を述べよ。
アフィン変換、関数体、有理関数、極、局所環、
有理関数の零点、
答6
問7 以下を示せ。
の閉部分多様体 上の有理関数 の極からなる集合 は
と異なる の代数的集合である。
答7
問8 以下を示せ。
の閉部分多様体 に対して 。
答8
問9 以下を示せ。
答9
問10
局所環の定義を述べよ。
答10
問11
問10で述べる条件が同値であることを示せ。
答11
問12 以下を示せ。
はネーター局所整域である。
答12
問13 以下を示せ。
可換環 と に対し次の準同型は同型。
答13
問14
を
でない 上の多項式関数とし、
とする。
このとき、以下を示せ。
(1) 同型 がある。
(2) は既約である。
(3) は から への全単射。
(4) 同型 がある。
解答
問1
(アフィン)(閉部分)多様体 : の既約な代数的集合。
超曲面 : 1つの既約な多項式で定義されるアフィン多様体。
座標環 : 。
多項式関数 : 多項式で定義される関数に等しい関数。
その全体を と書く。 である。
多項式写像 : 多項式で定義される多様体間の射。
同型 : となるような射。
問2
を閉部分多様体、
を多項式写像とする。
に対し次のように定義する を引き戻しという。
また、 を引き戻し写像という。
( のかわりに を使って書いても同じ。)
問3
(0)
なんだから、難しく考えずに見つけられる。
(1)
による剰余類と による剰余類を混ぜて書いているが、眼光紙背に徹すべし。
(2)
とすると 。
は 準同型だから、 。
これで、、、いいよね?
(3)
、 とする。
だから 。
(4)
の選び方には の不定性がある。
しかし、 上ではそれは である。
(5)
、 とする。
よって、 。
よって、 。
問4
問3より明らか。
問5
の 代数としての生成元を とすれば、 代数の全射準同型
を考えると
。
また、前問より、 の一意性が言える。
ちなみに、こっそり が整域と宣言されているから
が素イデアルであることは保証されている。
問6
がんばれ。
問7
(ただし、 は、 の剰余類)
とすると、 は を含む のイデアル。
すると、 が示せる。
とすると、 ということだから、 。
とすると、やっぱり、 とできて、
。
なんか当たり前な気がしてきた・・・。
問8
は明らか。
有理関数で となるものを考える。
すると、 となるので、ヒルベルトの弱零点定理より、
は真のイデアルではない。
よって、 は を含むから、 。
問9
考えてみると である。
問10
以下のいずれかが成り立つ可換環 。
(1) はただ1つの極大イデアルを持つ。
(2) 可逆でない元全体 は の極大イデアル。
(3) 可逆でない元全体 は のイデアル。
問11
(1) (2)
ただ1つの極大イデアルを とおく。
は明らか。
とすると は真のイデアルとなる。
一般に「可換間のイデアルにはそれを含む極大イデアルがある」が、
今の場合、極大イデアルは しかない。
よって、 。よって、 。
(2) (3)
明らか。
(3) (1)
に含まれないイデアルは可逆元をた含むから、
を含んでしまい、真のイデアルではない。
よって、 は極大イデアルであり、考えてみると、他に極大イデアルはない。
問12
これまでの経緯から は局所環である。
またこれは(この1問1答では省略したが) を で
局所化したもの( )である。
はネーター整域であり、ネーター整域の局所化はネーター整域になる。
問13
に対して準同型定理を適用する。
そして、 。
問14
(1)
前問より、
という同型がある。
ところで、 ではないだろうか。
この同型で定義域を に限定すると の定義域を
から に変えたものに一致する。
(2)
(1)の同型で、 は整域なので、
たる は素イデアル。
(3)
よく考えるとそう。
(4)
(1)の同型を見てみると、そんな気がする。
(あとでもう少し考える。)