代数曲線入門1問1答 9
元ネタ:代数曲線入門 梶原健
ちょっと補充的にやるつもりだったのにガッツリはまった。
リーマン−ロッホまではやめられないだろう。
楽しいは楽しいが早く圏論に戻りたくもある。
問題
問1 次の用語の定義を述べよ。
斉次座標環()、斉次元、関数体()
有理関数、 で正則、極
局所環()、 上正則
非特異、特異点
答1
問2 以下を示せ
(1) に対して、
なら 。
(2) は斉次元の和で一意的に表される。
答2
問3 以下を示せ。
の極全体は
に真に含まれる射影代数的集合である。
答3
問4 以下を示せ。
答4
問5 以下を示せ。
斉次多項式 に対し、
は に等しい。
また、 は の分数体に等しい。
答5
問6 以下の定義を述べよ。
答6
問7 以下を示せ。
1)
2)
答7
問8 以下を示せ。
1)
2)
3)
4)
答8
問9 以下を示せ。
1)
2)
答9
問10 以下を示せ。
1)
2)
答10
問11 以下を示せ。
とする。
1) の代数的集合 に対し、 。
2) の射影代数的集合 に対し、 。
答11
問12 以下を示せ。
問11と同じ記法とする。
1) に対し、
また、 は を含む最小の射影的集合で、
に含まれる既約成分を持たない。
2) に対し、 、 。
答12
問13 以下を示せ。
代数的集合 と射影代数的集合 に対し、
1)
2)
答13
問14 以下を示せ。
によって、
の代数的集合と
に含まれる既約成分を持たない の射影代数的集合とは
包含関係を保って1体1に対応する。
また、この対応では、既約なものが既約なものに対応する。
答14
問15 以下を示せ。
のとき、次は同値である。
1) が代数的集合。
2) が射影代数的集合。
答15
問16 以下を示せ。
は以下の 同型を誘導する。
(両辺のバーはそれぞれの同値類を示す。)
これにより、 。
答16
解答
問1
がんばれ。
問2
よく考えるとわかる。ような気がする。
問3
に対し、
とおく。
( は での の剰余類。)
すると、 は を含む斉次イデアル。
考えてみると は の極全体と一致する。
また、 とすると、 。
だから 。
問4
が正則なら 。
[tex:
[tex:\tilde{V}(
よって、 。
入門8の問11より、ある に対し、次の斉次式全体 は に含まれる。
だから 。
[tex:\tilde{V}(
(もしそうなら、 [tex:\emptyset\hspace{3}=\hspace{3}\tilde{V}(
すなわち、 は 上有限次元(次元でもない)。
の基底を とおくと、 。
これより、 は 係数モニック多項式の根となる。で、 は代数的閉体だった。
問5
斉次元 とし、 とすると、 を考えていることになる。
ただし、 とする。
は明らか。
とすると、 は の上でだけ定義されていないかもしれない。
ということは、 。よって、 [tex:\sqrt{J_f}\hspace{3}\supset\hspace{3}\sqrt{
[tex:G\hspace{3}\in\hspace{3}\sqrt{
すると、 。前半部証明終了。
とすると、 。
問6
= で生成されるイデアル
= で生成されるイデアル
問7
がんばれ。
問8
がんばれ。
問9
1)
で生成されるイデアル
で生成されるイデアル
しかるに、 。
2)
で生成されるイデアル
で生成されるイデアル
問10
1)
とする。
すると、 。よって、 。
だから、 。 とすると、 で 。
結局、 。
とする。
すると、 。よって、 。
だから、 とできる。
とすると、 、よって、 。
結局、 。
問11
1)
当たり前の式を書く。(数学ってそういうことが大事な気がする。)
で、心を落ち着けて考えてみる。
は代数的集合なのだから、 なるイデアルが対応している。
このイデアルの多項式を と書くことにする。
で、 。
その元は で、 となるもの。
さて、 とは、 で、
となってるものの集まり。
最初の式をじっと見ると題意が満たされることがわかる。
2)
さて、 は射影代数的集合だから、 なるイデアルが対応している。
このイデアルの多項式を と書くことにする。
で、 。
その元は で、 となるものの集まり。
さて、 とは、、 で、
となっているものの集まり。
問12
問11と同様に考えて、 が言える。
なんとなれば、
の元を とすると、 、
の元を とすると、 に対して
だから。
よって、 。
上の式の2つ目で とすると、1)の前半部が得られる。
1)の後半部は明らか。
また、 が示せる。
なんとなれば、
とおく。
とすると、 に対して、
。
すると、 だから、 。
とすると、 。
つまり、 。
すると、 となるから、 。
よって、 。
よって、 。
1)の2つめの式で とおくと、 だから、
。
この命題ちょっときつかった。
問13
1)
2)
問14
包含関係を保つのは明らか。
だが、
。
だが、 。
そこで、一般に に含まれる既約成分を持たない射影代数的集合 に対し、
なら、 が示されたことになる。
は明らか。
とすると、 。
の既約成分を とすると、 。
で は素イデアルだから、 。
既約なもの同士の対応は前問から言える。
問15
以下で、 は適宜、変数 に対応するものとする。
1) ⇒ 2)
よって、 。
よって、 。
2) ⇒ 1)
。
問16
問14の解答も使って、 。
また、 。
よって、 は、全射準同型 を誘導する。
だから、
が定義できる。
この写像の定義域を に制限したものを とすると、
これが題意の同型射となる。
(単射性は問7の2)よりわかる。)