加群 1/2
§15 加群
命題15.1
-加群の完全系列
から引き起こされる
は完全系列をなす。
もし、分解型なら
も分解型完全系列。
命題15.2
-加群の完全系列
から引き起こされる
は完全系列をなす。
もし、分解型なら
も分解型完全系列。
命題15.3
命題15.4
命題15.5
定理15.6 シューアの補題
、 を既約な -加群とすれば、 でない -準同型 は同型である。
特に自己準同型環 は斜体をなす。
定理15.7
が完全可約であるためには、
の任意の -部分加群が -直和因子であることが必要十分である。
定理15.8
完全可約加群 の部分加群 はまた完全可約である。
命題15.9
1) が直既約であるためには、
が片側イデアルの直和に分解しないことが必要十分である。
2) が直既約で両連鎖律を満たせば、
の非可逆元の全体 は唯一の極大イデアルをなし、
その元はすべてベキ零である。
命題15.10
極小条件を満たす加群 は有限個の直既約加群の直和として表される。
命題15.11 クルル・シュミットの定理
両連鎖律を満たす加群 が直既約加群への2通りの直和分解
を持つとする。すると、 で、 の置換 があって かつ
§16 射影加群
命題16.1
-加群 について次は同値である。
1)
2) の部分集合 があって
の元は1次結合 ( で有限個を除いて )の形に一意的に表される。
命題16.2
階数 の -自由加群の自己準同型環は
の元を成分とする 次正方行列の環 と逆同型である。
命題16.3
任意の -加群 に対し 自由加群からの全射 -準同型 が存在する。
もし が 個の元で生成されれば は階数 に取れる。
命題16.4
-加群 について次は同値である。
1) 全射準同型 の引き起こす
は全射準同型である。
2) -加群の拡大で次の形のものは分解型である。
3) はある自由加群の直和因子と同型である。
命題16.5
1) がすべて射影的ならば も射影的。
2) が射影的なら はともに射影的。
3)
において が射影的なら、 も射影的。
命題16.6
を有限生成射影加群とすれば も有限生成射影加群で
は -同型。
が特に階数 の自由加群ならば も階数 の自由加群である。
命題16.7
-左加群 が有限生成射影加群をなすための必要十分条件は
で
を満たすものが存在することである。
命題16.8
-加群 について次は同値である。
1) 全射準同型 の引き起こす
は全射準同型である。
2) -加群の拡大で次の形のものは分解型である。
§17 根基と半単純性
定理17.1
の根基は の両側イデアルで、あらゆる既約 -加群 の零化イデアル
の全体の共通部分に等しい。
命題17.3 中山の補題
有限生成加群 の部分加群 が を満たせば
。
命題17.4
の元 が に属することと、すべての について
が左逆元をもつことは同値である。
系17.5
ベキ零元から成る左イデアル は に含まれる。
定理17.6
は次の性質を持つ両側イデアル のうち最大のものである。
ならば は可逆元。
系17.7
は極大右イデアル全体の共通部分に等しく、
ベキ零元から成る右イデアルをすべて含む。
命題17.8
左アルティン環 上の有限生成加群 はアルティン的である。
定理17.9
左アルティン環 の根基 は の最大のベキ零イデアルに等しい。
系17.10
可換アルティン環の根基はベキ零根基と一致する。
定理17.11
環 について、次は同値である。
1) すべての左加群は完全可約である。
2) すべての左加群は射影的である。
3) 左アルティン的で 。
4) 左アルティン的で、有限個の単純環の直積である。
5) 斜体 があって 。
定理17.12
左アルティン環 について、 は半単純環である。
定理17.3
環 について次は同値である。
1) アルティン的単純環。
2) 斜体上の全行列環 と同型。
3) 極小左イデアルは互いに同型であり、 は極小左イデアルの直和として表される。
§18 テンソル積
命題18.1
テンソル積は同型を除いて一意的に定まる。
命題18.2
の元は有限和 の形に表される。
命題18.3
に対し、
で 。
命題18.4
命題18.5
が を基底とする自由加群であれば の元は
( で有限個を除いて )の形に一意的に表される。
命題18.6
を -右加群の完全系列、 を -左加群とするとき、
は完全系列をなす。もし、はじめの系列が分解型なら
も分解型完全系列。
命題18.7
射影加群は平坦である。
定理18.8
テンソル積 は存在して、同型を除いて一意的に定まる。
命題18.9
のとき、
命題18.10
のとき、
命題18.11
、 がともに -自由加群で、それぞれ 、 を基底に持てば、
も -自由加群で を基底に持つ。
命題18.12
が -有限生成加群ならば
も有限生成射影的で、
命題18.13
を有限生成な -射影加群、 を -加群とするとき、
命題18.14
-加群 が自由もしくは射影的になるに応じて -加群 も自由もしくは射影的。
命題18.15
記号 ( )の間に
なる同一視を行い、その全体の集合に
なる演算を与えて得られる [texR_p]-加群は と同型。