微分可能多様体1

元ネタ:微分幾何学 今野宏

第1章 多様体ベクトル束

1.1 微分可能多様体

C^\infty多様体の定義を述べよ。

C^\infty(M) の定義を述べよ。

微分同相写像の定義を述べよ。

接ベクトルの定義を述べよ。

T_pM の基底を1つ挙げよ。

g_{\alpha\beta} とは何か。

F\hspace{3}:\hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}N微分とは何か。

F\hspace{3}:\hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}N の正則点とは何か。

F\hspace{3}:\hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}N の正則値とは何か。

接束の定義を述べよ。

ベクトル場の定義を述べよ。

1.2 ベクトル束

ベクトル束の定義を述べよ。( \pi\hspace{3}:\hspace{3}E\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M

ファイバーとは何か。

局所自明化の定義を述べよ。

切断とは何か。( \Gamma(E)

枠場とは何か。

ベクトル束の同型とはどういうものか。

1.3 ベクトル束の双対、テンソル積、引き戻し

\pi\hspace{3}:\hspace{3}E\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M から \pi_{E_W}\hspace{3}:\hspace{3}E_W\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M を構成せよ。

双対ベクトル束 E^* とは何か。

双対枠場とは何だろうか。

ベクトル束の直和(Whittney和)とテンソル積の定義を言え。

縮約とは何か。

引き戻し f^*E の定義を述べよ。
ただし、 \pi\hspace{3}:\hspace{3}E\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}Mf\hspace{3}:\hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}N とする。

1.4 微分形式

外積代数 \Lambda^*V\Lambda^kV を構成せよ。

k 次対称形式、交代形式とは何か。

\Lambda^kVA^k(V^*) の同一視を言え。

\phi\hspace{3}\in\hspace{3}\Lambda^kV^*,\hspace{9}\psi\hspace{3}\in\hspace{3}\Lambda^lV^* に対し、 \phi\hspace{3}\wedge\hspace{3}\psi とはどんなものかね。

k微分形式とは何か。
またそれらがなす加群 \Gamma(\Lambda T^*M) とはどんなものか。

\Omega^k(M) とは何か。

\phi\hspace{3}\in\hspace{3}\Omega^k(M) が定める多重線型写像とはどのようなものか。

微分の定義を述べよ。

微分の具体的な形を説明せよ。

微分と引き戻しの関係を述べよ。

ド・ラームコホモロジーの定義を述べよ。

1.5 微分形式の積分

1の分解とは何か。

n 形式の積分とは何か。

向きづけられた境界付き微分可能多様体の境界の向きを述べよ。

ストークスの定理ステートメントを述べよ。

1.6 ベクトル場とLie微分

ベクトル場 X積分曲線とは何か。

1パラメータ変換群の定義を述べよ。

1パラメータ変換群とベクトル場の関係を述べよ。

Lie微分の定義を述べよ。

微分形式のLie微分の具体的な形を述べよ。

テンソル場とは何か。

テンソル場のLie微分を説明せよ。

Lie微分と縮約の関係を述べよ。

内部積の定義を述べよ。

微分可能多様体上の分布の定義を述べよ。

分布が完全積分可能とはどういうことか。

分布が包合的とはどういうことか。

フロベニウスの定理を述べよ。

数学リハビリ(代数的集合)

V(S)S\hspace{3}\sub\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n] ) : 代数的集合
k  : 無限体
I,\hspace{3}J\sub\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n]  : イデアル

主張1
I\hspace{3}\sub\hspace{3}J\hspace{15}\Rightarrow \hspace{15}V(I)\hspace{3}\supset\hspace{3}V(J)

主張2
V(\{0\})\hspace{3}=\hspace{3}A^n(k)     V(\{1\})\hspace{3}=\hspace{3}\phi

主張3
V(\cup I_\alpha)\hspace{3}=\hspace{3}\cap V(I_\alpha)

主張4
[tex:V(S)\hspace{3}\cup\hspace{3}V(T)\hspace{3}=\hspace{3}V(\hspace{3}\cap\hspace{3})\hspace{3}=\hspace{3}V(\{FG\hspace{3}|\hspace{3}F\hspace{3}\in\hspace{3}S,\hspace{6}G\hspace{3}\in\hspace{3}T\})]

主張5
V\hspace{3}\sub\hspace{3}W\hspace{15}\Rightarrow\hspace{15}I(V)\hspace{3}\supset\hspace{3}I(W)

主張6
I(A^n(k))\hspace{3}=\hspace{3}(0)     I(\phi)\hspace{3}=\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n]

主張7
I(V\hspace{3}\cup\hspace{3}W)\hspace{3}=\hspace{3}I(V)\hspace{3}\cap\hspace{3}I(W)     I(V\hspace{3}\cap\hspace{3}W)\hspace{3}\supset\hspace{3}I(V)\hspace{3}+\hspace{3}I(W)

主張8
I(\{a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}a_n\})\hspace{3}=\hspace{3}(X_1\hspace{3}-\hspace{3}a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n\hspace{3}-\hspace{3}a_n)

(証明)
I(\{a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}a_n\})\hspace{3}\supset\hspace{3}(X_1\hspace{3}-\hspace{3}a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n\hspace{3}-\hspace{3}a_n) は明らか。
F\hspace{3}\in\hspace{3}I(\{a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}a_n\}) とする。
FX_i\hspace{3}-\hspace{3}a_i で順々に割っていくと余りは F(a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}a_n) となる。
すると、 F(a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}a_n)\hspace{3}=\hspace{3}0 であるべきだから、
F\hspace{3}\in\hspace{3}(X_1\hspace{3}-\hspace{3}a_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n\hspace{3}-\hspace{3}a_n) 。□

主張9
I(V(S))\hspace{3}\supset\hspace{3}S     V(I(W))\hspace{3}\supset\hspace{3}W

主張10
V(I(V(S)))\hspace{3}=\hspace{3}V(S)     I(V(I(W)))\hspace{3}=\hspace{3}I(W)

主張11
V が代数的集合なら V\hspace{3}=\hspace{3}V(I(V))
I がある部分集合のイデアルなら I\hspace{3}=\hspace{3}I(V(I))

主張12
VW が代数的集合なら
V\hspace{3}=\hspace{3}W\hspace{15}\Longleftrightarrow\hspace{15}I(V)\hspace{3}=\hspace{3}I(W)

感想
ま、リハビリだから。

数学リハビリ(多項式環)

ここでは、 R を素元分解整域とする。

主張1
R を係数とする多項式 F(X)r\hspace{3}\in\hspace{3}R で割り切れるなら、
F(X) の各係数が r で割り切れる。

(証明)
そうだよね。□

主張2
R を係数とする多項式の環 R[X] で規約な多項式
係数を R の商体 \bar{R} に拡張した多項式の環 \bar{R}[X] でも規約である。

(証明)
F\hspace{3}\in\hspace{3}R[X] が既約とする。
これを\bar{R}[X] の元と考え F\hspace{3}=\hspace{3}GH に分解できたとする。
これに R の元を適当にかけると R[X] での因数分解
FM\hspace{3}=\hspace{3}G'H' が得られる。
M を素元分解して、その1つの因子を m と書き、
   G'\hspace{3}=\hspace{3}g_n\hspace{3}X^n\hspace{3}+\hspace{3}\cdots
   H'\hspace{3}=\hspace{3}h_k\hspace{3}X^k\hspace{3}+\hspace{3}\cdots
と書くと、
m\hspace{3}|\hspace{3}G'H'                  と
G'H'\hspace{3}=\hspace{3}g_n\hspace{3}h_k\hspace{3}X^{(n+k)}\hspace{3}+\hspace{3}\cdots   より
m\hspace{3}|\hspace{3}g_n または m\hspace{3}|\hspace{3}h_k となる。
m\hspace{3}|\hspace{3}g_n とすると、 m\hspace{3}|\hspace{3}(G'\hspace{3}-\hspace{3}g_nX^n)H' より m\hspace{3}|\hspace{3}g_{(n-1)} または m\hspace{3}|\hspace{3}h_k となる。
この操作を繰り返していくと、 m\hspace{3}|\hspace{3}G' または m\hspace{3}|\hspace{3}H' であることがわかる。
(数学の証明はもっとかっこよく書くのだろう。)
以上より、 R[X] の世界で F\hspace{3}=\hspace{3}G''H'' となる。
しかるに、 R[X] の世界では F は既約なので G''\hspace{3}\in\hspace{3}R または H''\hspace{3}\in\hspace{3}R となる。
G'H' は、これらに R の元を掛けたものだから、 G\hspace{3}\in\hspace{3}\bar{R} または H\hspace{3}\in\hspace{3}\bar{R} 。□

主張3
K を体とすると K[X] は単項イデアル整域である。

(証明)
K[X] では小学生的割り算ができる。(ので、ユークリッド整域である。)
K[X] の任意のイデアルI とすると、x の次数を |x| と書いて、
N(I)\hspace{3}=\hspace{3}\{|x|\hspace{3}\in\hspace{3}N\hspace{3}|\hspace{3}x\hspace{3}\neq\hspace{3}0,\hspace{3}x\hspace{3}\in\hspace{3}I\hspace{3}\} なる集合ができる。
N自然数(整列集合)なので、N(I) には最小値があり、
その最小値に対応する元を x_0 とする。
(要するに、x_0I 内の最小次数の多項式である。)
すると、任意の x\hspace{3}\in\hspace{3}I に対して、割り算を実行して x\hspace{3}=\hspace{3}d\hspace{3}x_0\hspace{3}+\hspace{3}r と書けるが、
これを r\hspace{3}=\hspace{3}x\hspace{3}-\hspace{3}d\hspace{3}x_0 として考えると、 r\hspace{3}\in\hspace{3}I となる。
この r の次数は x_0 のものより小さいはずであるが、「 |x_0| の次数が最小」という事実と
矛盾しないためには r\hspace{3}=\hspace{3}0 でなければならない。□

主張4
単項イデアル整域は素元分解整域である。

(略証)
任意のイデアルにはそれを含む極大イデアルが存在する。
(a) を含む極大イデアル(p) とすると、 p\hspace{3}|\hspace{3}a 、すなわち、
a\hspace{3}=\hspace{3}p\hspace{3}a_1 と書ける。
a_1 が単元なら分解完了である。
単元でない場合は、同様に a_1\hspace{3}=\hspace{3}q\hspace{3}a_2 とでき、 a\hspace{3}=\hspace{3}p\hspace{3}q\hspace{3}a_2 となる。
ここで a_2 が単元なら分解完了である。
単元でない場合・・・と繰り返していき、いつまでも単元にならなかったとする。
すると、 (a)\hspace{3}\sub\hspace{3}(a_1)\hspace{3}\sub\hspace{3}(a_2)\hspace{3}\cdots という無限に続くイデアルの増大列ができる。
しかし、 \cup\hspace{3}(a_i)イデアルであるから、 \cup\hspace{3}(a_i)\hspace{3}=\hspace{3}(b) のように表されるはずである。
そうすると、あるとき、 b\hspace{3}\in\hspace{3}(a_r) となるはずであり、
すると、 (a_r)\hspace{3}=\hspace{3}(a_{r+1})\hspace{3}=\hspace{3}\cdots となってしまい矛盾する。□

主張5
整域において素元は既約元である。

(証明)
素元 pp\hspace{3}=\hspace{3}ab と書けたとする。
すると、 p\hspace{3}|\hspace{3}a または p\hspace{3}|\hspace{3}b となる。
前者だとすると、 a\hspace{3}=\hspace{3}pc となり、 p\hspace{3}=\hspace{3}bcp となる。
すると、 bc\hspace{3}=\hspace{3}1 となり、b が単元であることがわかる。□

主張6
素元分解整域において既約元は素元である。

(証明)
既約元 q を素元分解して q\hspace{3}=\hspace{3}p_1p_2\hspace{3}\cdots\hspace{3}p_n になったとする。
ところが、素元は既約元なので、n\hspace{3}=\hspace{3}1 以外ありえない。□

主張7
単項イデアル整域において (0) 以外の素イデアルは極大イデアルである。

(証明)
p を素元として、 (p) を含むイデアル (a) があったとする。
すると、もう勝負あった気がするが、 p\hspace{3}=\hspace{3}ab と書ける。
p が素元なので、a\hspace{3}=\hspace{3}pcb\hspace{3}=\hspace{3}pc と書ける。
すると bc\hspace{3}=\hspace{3}1ac\hspace{3}=\hspace{3}1 となる。
前者は (p)\hspace{3}=\hspace{3}(a) を意味し、後者は (a)\hspace{3}=\hspace{3}R を意味する。□

主張7の系
K を係数とする多項式環 K[X] において、F(X) が既約多項式とすると、
(F(X)) は極大イデアルである。

主張8
R を係数とする多項式環 R[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n] において、
既約多項式は素元である。

(証明)
帰納法を使う。
n\hspace{3}=\hspace{3}0 では自明に成立している。
n までで成立しているとする。
F\hspace{3}\in\hspace{3}R[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_{n+1}] が既約とすると、
FF\hspace{3}\in\hspace{3}R(X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n)[X_{n+1}] でも既約。
ここでは既約元が素元だから、 F\hspace{3}|\hspace{3}GH なら F\hspace{3}|\hspace{3}GF\hspace{3}|\hspace{3}H
たとえば、 F\hspace{3}|\hspace{3}G とすると、 R(X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n)[X_{n+1}] の世界で G\hspace{3}=\hspace{3}FX
これにR[X_1,\hspace{3} \cdots ,\hspace{3} X_n] の元を適当に掛ければ、 R[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_{n+1}] の世界で、
GM\hspace{3}=\hspace{3}FL  ( M\hspace{3}\in\hspace{3}R[X_1,\hspace{3} \cdots ,\hspace{3} X_n] )。
主張2の証明と同様に考えれば、M の既約因子で FL が割れる。
しかし、F は既約だから、割れるのは L のみ。
よって、M の既約因子で割っていって G\hspace{3}=\hspace{3}FL' となる。□

主張9
R を係数とする多項式環 R[X_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}X_n] は素元分解整域である。

感想
数学的には主張9辺りが重要なのだと思う。
しかし、テクニック的には、主張1、主張2が重要な気がする。
真ん中辺の証明は堀田先生の「代数入門」を見た。
それ以外(の主要部)は梶原先生の「代数曲線入門」を見た。

数学リハビリ

今日考えた事(自明っぽい)
M を  R\hspace{3}=\hspace{3}k[X_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}X_n]   (k は体) の極大イデアルとすると、
k\hspace{3}\sub\hspace{3}R/M
 
(証明)
a\hspace{3}\in\hspace{3}k,\hspace{6}a\hspace{3}\neq\hspace{3}0 に対し a\hspace{3}\in\hspace{3}M とすると M\hspace{3}=\hspace{3}R となるので a\hspace{3}\notin\hspace{3}M
a,\hspace{3}b\hspace{3}\in\hspace{3}k\bar{a}\hspace{3}=\hspace{3}\bar{b} とすると、 a\hspace{3}=\hspace{3}b 。□

そんなわけで、次が言える。

k を係数とする定数でない多項式 F(X) に対して k を含む体 K
F(X)K[X] において1次の積に分解するものがある。

(証明)
R\hspace{3}=\hspace{3}k(Y)[Z_1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}Z_n](F(Y)\hspace{3}-\hspace{3}{\small{\prod}}(Y\hspace{3}-\hspace{3}Z_i)) を含む極大イデアル
M とすると、 K\hspace{3}=\hspace{3}R/M\bar{F(Y)}\hspace{3}=\hspace{3}{\small{\prod}}(\bar{Y}\hspace{3}-\hspace{3}\bar{Z}_i) 。□

加群2/2

§19 デデキント環と加群

この節では分数イデアルイデアルとよぶ。

命題19.1
イデアル a,\hspace{6}bR-加群として同型であることと、
b\hspace{3}=\hspace{3}ta なる t\hspace{3}\in\hspace{3}K があることは同値。

命題19.2
a が可逆であることと R-射影的であることは同値で、
このとき、a は有限生成なイデアルである。

以下、環はすべてデデキント環とする。

命題19.3
a\hspace{3}\sub\hspace{3}ba\hspace{3}=\hspace{3}bc なる整イデアル c の存在とは同値。

定理19.4
1) デデキントR は整閉ネタ―環で、その素イデアルは極大である。
2) 任意のイデアルは素イデアルのベキ積 p_1^{e_1}\cdots p_r^{e_r} の形に一意的に表される。

定理19.5
イデアル a による剰余環 R/a は単項イデアル環である。

系19.6
任意の整イデアル a,\hspace{6}b に対し、 a\hspace{3}+\hspace{3}tb\hspace{3}=\hspace{3}R なる t\hspace{3}\in\hspace{3}K がある。

命題19.7
入射 i\hspace{3}:\hspace{3}R\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}K の引き起こす i\otimes I_M\hspace{3}:\hspace{3}M\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}K\otimes M において
t(M)\hspace{3}=\hspace{3}Ker((i\otimes I_M)

定理19.8
1) 自由加群の部分加群には捩れがない。
2) 捩れがない有限生成加群 M は階数有限の自由加群の部分加群と同型になる。

定理19.9
デデキントR 上の加群 P については次は同値である。
1) 有限生成で捩れがない。
2) 有限生成で射影的である。
3) 有限個のイデアルの直和 a_1\oplus\hspace{3}\cdots\hspace{3}\oplus a_r と同型である。

系19.10
デデキント環上の有限生成加群 Mt(M) と有限生成射影加群の直和である。

系19.11
単項イデアル整域上の加群 P について次は同値である。
1) 有限生成で捩れがない。
2) 有限生成で射影的である。
3) 階数有限の自由加群である。

定理19.12
デデキントRイデアルの直和 a_1\oplus\hspace{3}\cdots\hspace{3}\oplus a_rb_1\oplus\hspace{3}\cdots\hspace{3}\oplus b_s
同型であるためには、 r\hspace{3}=\hspace{3}sa_1\cdots a\r\hspace{3}\simeq\hspace{3}b_1\cdots b_s となることが
必要十分である。

定理19.13
単項イデアル整域 R 上の有限生成加群 M は、
巡回加群の直和 R/e_1\hspace{3}R\hspace{3}\oplus\hspace{3}\cdots a\r\hspace{3}\simeq\hspace{3}b_1\cdots \oplus\hspace{3}R/e_n\hspace{3}R と同型である。
ここに \{e_i\}e_i|e_{i+1}\hspace{6}(\hspace{3}i\hspace{3}=\hspace{3}1,\hspace{3}\cdots,\hspace{3}n\hspace{3}-\hspace{3}1\hspace{3}) にとることができ、
そのようにするとき同伴性を除いて一意的に定まる。

定理19.14
F を単項イデアル整域 R 上の階数 n の自由加群N を部分加群とする。
そのとき F の基底 \{u_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}u_n\}R の元 e_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}e_r
\{e_1u_1,\hspace{3}\cdots\hspace{3},\hspace{3}e_ru_r\}N の基底をなすものが存在する。
\{e_i\} は前定理に述べた意味で一意的である。

§20 多元環

定理20.1 マシュケの定理
G を位数 g の有限群、K標数g と互いに素な体とする。
そのとき、GK-加群による表現はすべて完全可約である。
すなわち、群環 K[G] は半単純である。

定理20.2
ABCR 上の多元環とする。
もし、多元環準同型 \kappa_1\hspace{3}:\hspace{3}A\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}C,\hspace{9}\kappa_2\hspace{3}:\hspace{3}B\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}C があって、
\kappa_1(A) の元と \kappa_2(B) の元が可換なら、多元環準同型 f\hspace{3}:\hspace{3}A\otimes B\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}C
\kappa_i\hspace{3}=\hspace{3}f\hspace{3}\circ\hspace{3}t_i を満たすものが唯一つある。
もし、C\kappa_1(A)\kappa_2(B) によって生成されるなら、f全射となる。

§21 次数多元環

定理21.1
M から R 上の多元環 A への線形写像 f多元環準同型
T(f)\hspace{3}:\hspace{3}T(M)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}A に一意的に拡張される。

命題21.2
M\{u_i\} を基底とする自由加群であるならば、
T^p(M)u_{i_1}\otimes\cdots u_{i_p} の形の元全体を基底とする自由加群である。

命題21.3
\Lambda(M_1\oplus M_2)\hspace{3}\simeq\hspace{3}\Lambda(M_1)\oplus \Lambda(M_2)

命題21.4
M\{u_i\}\hspace{3}(\hspace{3}i\hspace{3}=\hspace{3}1\hspace{3}\dots\hspace{3}n\hspace{3}) を基底とする自由加群ならば、
p\hspace{3}>\hspace{3}n について \Lambda^p(M)\hspace{3}=\hspace{3}0
p\hspace{3}\leq\hspace{3}n について \Lambda^p(M)u_{i_1}\wedge \cdots \wedge a_{i_p} の全体を基底とする自由加群である。
\Lambda(M) は階数 2^n の自由加群である。