2016-01-01から1年間の記事一覧
定義 完備・余完備 すべての小さい図式が極限を持つときその圏は完備という。 すべての小さい図式が余極限を持つときその圏は余完備という。 ちなみに、complete、cocompleteである。 余もcoも発音が楽しい。 命題(教科書では定義) では である。 ( は元…
予想を遥かに上回る遅さで進んでいる。 やっと、極限、余極限。 定義 に対し を 「 のすべての対象を に、すべての射を にうつす関手」と考える。 (例によって、記号の濫用だと思うが、数学っぽくてかっこいい。 そしてそれを理解できる自分はすごいなと思…
定義 要素圏 に対し、要素圏 を次のように定義する。 (1) 対象は ただし 、 。 (2) 射 は 、 となる 。 反変関手に対しては、 に対し、要素圏 を次のように定義する。 (1) 対象は ただし 、 。 (2) 射 は 、 となる 。 一般に を決めれば、当然 となる も決…
補題(p62の系) の終対象のみで張られる充満な部分圏は、空であるか可縮な亜群である。 特に2つの終対象はユニークに同型である。 可縮な亜群とは、「対象が1つしかない圏に同値な圏」であり、あるいは、 「すべてのhom集合がただ1つしか元を持たない圏」の…
定義 ローカルに小さい圏 対象間の射の集合が小さいとき、その圏はローカルに小さいという。 (あるいは、「局所的に小さい」とか「局所小」とか? マックレーン(日本語版)には「小さいhom集合を持つ圏」とある。まんまである。) 定義 表現 ローカルに小…
圏論では「本当に同じ」以外に、「同型」「同値」の概念が重要となる。 ちなみに、isomorphismは名詞、isomorphicは形容詞だが、 日本語ではしばしば両方とも「同型」と訳される。 補題 関手は同型を保存する。 関手は、モノやエピを保存しないが、分裂モノ…
圏論ではなるべく集合的な考え方(元を1つずつ見るような考え方)から離脱すべきだろう。 しかし、hom 集合は重要な役割を果たしているような気がする。 よって、hom 集合(や集合一般)の扱い方に習熟しておいてもよいような気がする。 補題 以下の3つは同…
ハーツホーンに を の前層とし、 を 上の点とする。 の における茎 を を含むすべての開集合 に対する 群 と制限写像 がなす順系に関する順極限と定義する。 とある。 よくわからないので、考えた(調べた)。 順極限とは余極限のことらしい。 前層は である…
元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski問題 問28 左導来関手の定義を述べよ。 答28 問29 右導来関手の定義を述べよ。 答29 問30 以下を示せ。 が自明なコファイブレーションを同型にうつす関手とする。 このとき、 。 …
元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski問題 問18 前々問、前問より以下の関手が定義されることを示せ。 (1) (2) ( は の射を右ホモトピーでまとめた圏。 は の射を左ホモトピーでまとめた圏。) 答18 問19 以下を示せ…
Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。 問題 問13 以下を証明せよ。 とする。 (1) がコファイブラントのとき、 。 (2) がファイブラントのとき、 。 答13 問14 で と がコファイブラントかつファイブラントなら、 以下…
Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。問題 問7 左ホモトピー、右ホモトピーの定義を述べよ。 答7 問8 以下を証明せよ。 (1) のとき、からへの良い左ホモトピーがある。 さらにがファイブラントなら、とても良い左ホモ…
Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。 問題 問1 モデル圏の定義を述べよ。(Dwyer Spalinski方式) ヒント:MC1〜MC5 答1 問2 以下を証明せよ。 モデル圏において (1)自明なファイブレーションに対してLLPを持つ射は…
定理 が余極限を持つとき、そのときに限り、 は関手 に沿った左カン拡張を持つ。 このとき、 ( は の唯一の対象のつもり)である。 双対的に、極限が右カン拡張になる。 定理 が左随伴を持つとき、そのときに限り、 右カン拡張 が存在し、 によって保存され…
コンマ圏 の対象は のようなもので、これを [tex:] と書く。 ここで、2つの関手を定義する。(射影関手?) [tex:P^c\hspace{3}=\hspace{3}m] [tex:Q^c\hspace{3}=\hspace{3}f] すると、 は錘と考えることができる。 定義 が稠密とは、各 について が成り立…
次のような右カン拡張があったとする。 ただし、 。 ここで、 が余単位元 を持った右カン拡張なら、 「 は右カン拡張を保存する」という。 これは も意味する。 定理 が左随伴 を持つとき、 は 上のすべての右カン拡張を保存する。 (証明) ここで、 を右に…
定理 があるとする。 に対し、 [tex:Q\hspace{3}:\hspace{3}(c\hspace{3}\downarrow K)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M\hspace{30}(\hspace{3}\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}m\hspace{3})] を考える。ここで が のように極限を持ち、その極限錐が …
補題 が恒等関手上の錘であり、 があって、 が極限錘となっているなら、 は の始対象。 (証明) であるが、これを関手 と考え、 という構造を考えている。 は錘だから、下図が可換。 ( からすべての対象 への射 が他の射と可換になるようにある。という点…
命題 に対し それぞれがエンド [tex:]、[tex:] を持つとし、また、 自然変換 があったとする。 すると、に一意的な射 が存在して下図が可換になる。 定理 が 各対象 についてエンド を持つとする。 このとき、 を対象関数とる関手 が存在して、 は において…
定義 エンド 関手 に対し、ある定数 から への 普遍的な対角自然変換をエンドという。 ここで、 から へのくさび()があった場合、 一意的に が存在して、 を満たす。 自体もエンドとよばれ、 と書かれる。 例 に対し、 が定義される。 ここで、 に対し、 …
定義 対角自然変換 に対し、 に射 を割り当てる関数 で次の図を 可換にするものを対角自然変換という。 対角自然変換は と書く。 例 ・双関手の自然変換 に対し、 とする。 ・2つの1変数関手から「1つの変数がダミーのもの」をつくることができる。 に対し、…
定義 導来関手 に対し、次のような関手 と 自然変換 の組を左導来関手(left derived functor)という。 すなわち、任意の関手 と自然変換 に対し、 を可換にするような が唯一つ決まる。 右導来関手は と で、 次のようになるもの。 命題 がコファイブラン…
加群の圏を と書く。 定義 鎖複体の圏 対象 :加群の集まり 。 ただし、この加群間には境界写像 がある。 境界写像は を満たす。 射 : 加群の準同型 の集まり。 を満たす。 定義 ホモロジー関手 に対し 輪体加群 : 境界加群 : ホモロジー関手 : のとき、…
定義 のコファイブラントな対象を集めた部分圏 のファイブラントな対象を集めた部分圏 のコファイブラントかつファイブラントな対象を集めた部分圏 で「射を右ホモトピーで分類したクラス」を射とする圏 で「射を左ホモトピーで分類したクラス」を射とする圏…
定義 コファイブラントとファイブラント 始対象からの射がコファイブレーションである対象をコファイブラント、 終対象への射がファイブレーションである対象をファイブラントという。 (fibrant、cofibrantは形容詞のようである。したがって日本語訳は 形容…
定義 射のレトラクト が可換で、、のとき、はのレトラクトという。 定義 リフト が可換のとき、があって図が可換なままであれば、をリフトという。 このとき、はに対して左リフト性(LLP)があるといい、 はに対して右リフト性(RLP)があるという。 定義 モ…
が1つ固定されているとき、 は 代数という。定義 係数拡大 を 加群 の への係数拡大という。 2つの 代数 、 に対して を考えることができる。 乗法を と定義することで再び環になる。命題 が可換とする。 このとき が存在する。 このようなものは同型を除い…
双線形写像 加群 、 に対し となる写像。 定理 以下の性質を満たす が一意的に存在する。 すなわち、任意の に対し下図が可換になる が唯一つある。 コメント 圏論っぽく書くと次のようになる。 双線形の射の集合を と書くと、 これは関手 であり、 は普遍要…
定義 準アフィン多様体 上の正則関数 関数 が において正則とは次のようなときに言う。 となる開近傍 と多項式 がある。 は 上いたるところで ではなく、 上で となる。 が のすべての点で正則であるとき、 上正則であるという。 定義 準射影多様体 上の正則…
射影 空間を と書く。 多項式環 ] を次数付き環 とする。 において となるイデアルを斉次イデアルという。 を の斉次元のみからなる集合とし、その零点集合を とする。 定義 代数的集合 の斉次元の集合 に対し となる の部分集合。 命題 2つの代数的集合の和…