層の練習問題

息子の出題。 解答は主に息子が言ってたものを記録したものだが、記録が正確である保証はない。 問1 位相空間 、 と連続写像 があったとする。 このとき、 の開集合 に対し、 と定義すると、これは層になっていることを示せ。 答: 前層であることはわかる。…

離散付値環

元ネタ:代数曲線入門第6章 梶原健 命題 体でない整域 に対して次の(1)〜(3)は同値: (1) はネーター局所環で、極大イデアルは単項。 (2) ある規約元 によって任意の元 が の形に一意的に書かれる。 (3) は局所環かつPID。 定義 離散付値 整域 が上の命題の…

直交多項式

直行多幸式。 元ネタ:特殊関数 第2章 犬井鉄郎 有限区間の一般論 に対し、 とおくと、これは n 次多項式になる。 任意の n - 1 次多項式 に対し、 となる。したがって、特に、 である。(左辺を真ん中の式で定義した。) のときは となるが、これは の規格…

ガンマ関数とベータ関数

いきなり、どうした?みたいな。 量子力学を復習してちょっとそんな気持ちになった。 元ネタ:特殊関数 第1章 犬井鉄郎 定義 ガンマ関数 部分積分をすると 特に、 。 Gaussの公式 Weierstrassの公式 ただし、 。 これから、 に極を持つことがわかる。 定義 …

可換代数の初歩

元ネタ:代数曲線入門第1章 梶原健 代数の知識が微妙で、いろいろもやもやすることが多い。 だから、教科書(アティマク?)をちゃんと通読しよう とも思うのだが、それはそれで大事(オオゴト)だ。 で、なんとなく買った上記の本の第1章は、私がもやもやし…

圏論初等徒然11 極限・余極限の関手性

命題 すべての に極限があるなら、 関手 が考えられる。 (コメント) 私の日本語は奥歯にものがはさまったような言い方である。 原文は「a functor」とあり、補足説明に 「a limit」を「the limit」にするためには なんらかの選択が必要である、とある。 元…

圏論初級徒然10 完備かつ余完備な圏

、 、 、 、 、 、 、 、 、 は完備かつ余完備である。 命題 は完備かつ余完備である。 (証明) 完備性はすでにみた。 余完備性は、余積とコイコライザの存在から言える。 の余積は直和、コイコライザは は から生成される同値関係で を割ったもので、 すな…

圏論初等徒然9 極限・余極限の表現可能性

特に言わない限り、扱う圏はローカルに小さいとする。 定理 (証明的な何か) リール先生の証明は「考えればわかるよね」的で、たぶんこの感覚をつかむことが 重要なんだろうと思う。 が、別の言葉で言えないかとも思った。ここまでの結果を使えば、 最期の…

圏論徒然8 極限・余極限の保存・反映・創出

定義 極限の保存・反映・創出 、 があるとする。 ・ は極限を保存する。 が極限錘を持つなら、それを でうつしたものも極限錘になる。 ・ は極限を反映する。 の錘を でうつしたものが極限錘なら、もとの錘も極限錘である。 ・ は極限を創出する。 が極限錘…

圏論初級徒然7

定義 完備・余完備 すべての小さい図式が極限を持つときその圏は完備という。 すべての小さい図式が余極限を持つときその圏は余完備という。 ちなみに、complete、cocompleteである。 余もcoも発音が楽しい。 命題(教科書では定義) では である。 ( は元…

圏論初級徒然6

予想を遥かに上回る遅さで進んでいる。 やっと、極限、余極限。 定義 に対し を 「 のすべての対象を に、すべての射を にうつす関手」と考える。 (例によって、記号の濫用だと思うが、数学っぽくてかっこいい。 そしてそれを理解できる自分はすごいなと思…

圏論初級徒然5

定義 要素圏 に対し、要素圏 を次のように定義する。 (1) 対象は ただし 、 。 (2) 射 は 、 となる 。 反変関手に対しては、 に対し、要素圏 を次のように定義する。 (1) 対象は ただし 、 。 (2) 射 は 、 となる 。 一般に を決めれば、当然 となる も決…

圏論初級徒然4

補題(p62の系) の終対象のみで張られる充満な部分圏は、空であるか可縮な亜群である。 特に2つの終対象はユニークに同型である。 可縮な亜群とは、「対象が1つしかない圏に同値な圏」であり、あるいは、 「すべてのhom集合がただ1つしか元を持たない圏」の…

圏論初級徒然3

定義 ローカルに小さい圏 対象間の射の集合が小さいとき、その圏はローカルに小さいという。 (あるいは、「局所的に小さい」とか「局所小」とか? マックレーン(日本語版)には「小さいhom集合を持つ圏」とある。まんまである。) 定義 表現 ローカルに小…

圏論初級徒然 2

圏論では「本当に同じ」以外に、「同型」「同値」の概念が重要となる。 ちなみに、isomorphismは名詞、isomorphicは形容詞だが、 日本語ではしばしば両方とも「同型」と訳される。 補題 関手は同型を保存する。 関手は、モノやエピを保存しないが、分裂モノ…

圏論初級徒然

圏論ではなるべく集合的な考え方(元を1つずつ見るような考え方)から離脱すべきだろう。 しかし、hom 集合は重要な役割を果たしているような気がする。 よって、hom 集合(や集合一般)の扱い方に習熟しておいてもよいような気がする。 補題 以下の3つは同…

余極限と茎について考えた

ハーツホーンに を の前層とし、 を 上の点とする。 の における茎 を を含むすべての開集合 に対する 群 と制限写像 がなす順系に関する順極限と定義する。 とある。 よくわからないので、考えた(調べた)。 順極限とは余極限のことらしい。 前層は である…

モデル圏1問1答 5/5

元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski問題 問28 左導来関手の定義を述べよ。 答28 問29 右導来関手の定義を述べよ。 答29 問30 以下を示せ。 が自明なコファイブレーションを同型にうつす関手とする。 このとき、 。 …

モデル圏1問1答 4/5

元ネタ:Homotopy theories and model categories W.G.Dwyer and J.Spalinski問題 問18 前々問、前問より以下の関手が定義されることを示せ。 (1) (2) ( は の射を右ホモトピーでまとめた圏。 は の射を左ホモトピーでまとめた圏。) 答18 問19 以下を示せ…

モデル圏1問1答 3/5

Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。 問題 問13 以下を証明せよ。 とする。 (1) がコファイブラントのとき、 。 (2) がファイブラントのとき、 。 答13 問14 で と がコファイブラントかつファイブラントなら、 以下…

モデル圏1問1答 2/5

Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。問題 問7 左ホモトピー、右ホモトピーの定義を述べよ。 答7 問8 以下を証明せよ。 (1) のとき、からへの良い左ホモトピーがある。 さらにがファイブラントなら、とても良い左ホモ…

モデル圏1問1答 1/5

Homotopy theories and model categories W.G. Dwyer and J. Spalinski より。 問題 問1 モデル圏の定義を述べよ。(Dwyer Spalinski方式) ヒント:MC1〜MC5 答1 問2 以下を証明せよ。 モデル圏において (1)自明なファイブレーションに対してLLPを持つ射は…

カン拡張5

定理 が余極限を持つとき、そのときに限り、 は関手 に沿った左カン拡張を持つ。 このとき、 ( は の唯一の対象のつもり)である。 双対的に、極限が右カン拡張になる。 定理 が左随伴を持つとき、そのときに限り、 右カン拡張 が存在し、 によって保存され…

カン拡張4

コンマ圏 の対象は のようなもので、これを [tex:] と書く。 ここで、2つの関手を定義する。(射影関手?) [tex:P^c\hspace{3}=\hspace{3}m] [tex:Q^c\hspace{3}=\hspace{3}f] すると、 は錘と考えることができる。 定義 が稠密とは、各 について が成り立…

カン拡張3

次のような右カン拡張があったとする。 ただし、 。 ここで、 が余単位元 を持った右カン拡張なら、 「 は右カン拡張を保存する」という。 これは も意味する。 定理 が左随伴 を持つとき、 は 上のすべての右カン拡張を保存する。 (証明) ここで、 を右に…

カン拡張2

定理 があるとする。 に対し、 [tex:Q\hspace{3}:\hspace{3}(c\hspace{3}\downarrow K)\hspace{3}\longrightarrow \hspace{3}M\hspace{30}(\hspace{3}\hspace{3}\rightarrow \hspace{3}m\hspace{3})] を考える。ここで が のように極限を持ち、その極限錐が …

カン拡張1

補題 が恒等関手上の錘であり、 があって、 が極限錘となっているなら、 は の始対象。 (証明) であるが、これを関手 と考え、 という構造を考えている。 は錘だから、下図が可換。 ( からすべての対象 への射 が他の射と可換になるようにある。という点…

エンド・コエンド3

命題 に対し それぞれがエンド [tex:]、[tex:] を持つとし、また、 自然変換 があったとする。 すると、に一意的な射 が存在して下図が可換になる。 定理 が 各対象 についてエンド を持つとする。 このとき、 を対象関数とる関手 が存在して、 は において…

エンド・コエンド2

定義 エンド 関手 に対し、ある定数 から への 普遍的な対角自然変換をエンドという。 ここで、 から へのくさび()があった場合、 一意的に が存在して、 を満たす。 自体もエンドとよばれ、 と書かれる。 例 に対し、 が定義される。 ここで、 に対し、 …

エンド・コエンド1

定義 対角自然変換 に対し、 に射 を割り当てる関数 で次の図を 可換にするものを対角自然変換という。 対角自然変換は と書く。 例 ・双関手の自然変換 に対し、 とする。 ・2つの1変数関手から「1つの変数がダミーのもの」をつくることができる。 に対し、…